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  • 開発の目的

    医療技術の高度化や電子カルテの普及に伴い、医療現場では多種多様な略語が日常的に使用されています。しかし、診療科や職種の違い、システム間の連携仕様の差異により、「言葉が正しく伝わらない」「ニュアンスが微妙に異なる」といったコミュニケーションのギャップ(エラー)が生じがちです。

    本サイト**「医療略語インデックス」は、これらの医療略語を分かりやすく整理し、「多職種が共通の認識を持てること」および「臨床におけるコミュニケーションエラー(インシデント)を防ぐこと」**を目指して構築されました。


    対象とする読者と想定される利用場面

    看護師・臨床スタッフ

    医師からの処方指示やカルテの経過記録、他部門への検査予約の際に見慣れない略語に出会ったとき、その正式名称や具体的なニュアンスを調べるのに役立ちます。

    放射線技師・臨床検査技師

    モダリティ(撮影装置)や部門システム(RIS・PACS・LIS)に関連する略語、および検査オーダー時に送られてくる各種病名・術名の略語確認する際に役立ちます。

    医療情報システム(IT)担当

    電子カルテと部門システム(PACS、RISなど)の連携時の用語定義、MWMやDICOMタグ関連の技術用語、および臨床側から「システムに表示されるこの略語を変更したい」と要望があった際の調査に役立ちます。

    医療事務・クラーク

    カルテの代行入力時や診療報酬請求(レセプト)業務において、カルテに記載された手書き指示や経過記録の略語を解釈する際の手がかりになります。


    利用上のルールとお願い

    • 疑わしきは必ず確認(疑義照会) 当サイトの内容は一般的な解説です。医療施設や標榜科によっては、同じ略語でも独自の慣習で異なる解釈がなされている場合があります。少しでも意味に疑念を抱いた場合は、自己判断せず、必ず発信元の医師や担当スタッフに直接口頭で確認してください。
    • 危険略語の排除 「D/C」などの混同を招きやすい危険略語は、日常業務での使用を極力避け、安全な日本語表記に置き換えていくことを推奨しています。

  • 医療現場では、迅速なコミュニケーションやカルテ記載のために多くの英語略語が日常的に用いられています。しかし、文字の視認性の悪さ(手書きの崩れなど)や、複数の意味を持つ略語(ダブルミーニング)は、重大な薬物処方ミスや指示間違いを誘発し、患者安全上の重大な脅威となり得ます。

    当サイトでは、これらの混同しやすい略語を**「危険略語 (Dangerous Abbreviations)」**と位置づけ、臨床安全管理の観点から使用制限や注意喚起を促しています。

    なぜ危険略語が問題になるのか?

    1. ダブルミーニングによる指示取り違え 同一の略語が「中止(Discontinue)」と「退院(Discharge)」、あるいは「右眼(OD)」と「右耳(AD)」など、全く異なる医療行為・部位を指すことで、誤った処置が行われるリスクがあります。
    2. 手書き文字の類似性による見間違い 「IU(国際単位)」と「IV(静脈注射)」、「q.d.(1日1回)」と「q.o.d.(1日おき)」など、書体や手書きの乱れによって解釈ミスが発生します。
    3. 小数点の見落とし 「.5mg」と書いて「5mg」と誤読されたり、「1.0mg」の「.」が見えずに「10mg」と誤読され過剰投与になる事故が知られています。

    当サイトに登録されている危険略語

    以下は当サイトで解説している、特にインシデント事例の多い危険略語の一覧です。詳細な危険理由や回避策については、各項目をクリックしてご確認ください。

    • D/C 正式名称/別名: Discontinue, Discharge, Direct Current

      D/Cは、指示の中止(Discontinue)と退院(Discharge)という、患者安全に関わる複数の極めて重要な意味で使われるため、代表的な「危険略語」とされています。


    予防対策の基本原則

    • 略語の不使用(原則として日本語または正式名称で書く) 特に処方指示、アレルギー情報、検査オーダーなどでは、略語を使わずに「中止」「退院」等と記載します。
    • 指示の受け手のダブルチェックと疑義照会 指示書に危険略語が含まれていた場合、前後の文脈で自己判断せず、必ず作成した医師に口頭またはシステムを通じて確認を行います。